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インタビュー(エレーナ・二キフォロバさん)2016.07.08

ジャパンハウスの墨絵学校は、我々が力を入れている日本文化の中でもメインとなっている文化プロジェクトのひとつです。
我々の墨絵の授業の内容は、日本から、墨絵の先生を招聘し、彼女が大学で、行われているカリキューラムをもとに考案されたプログラムに沿って、初級、中級、上級と進んでいけるように組まれている。それらの授業で墨絵の基本の初級から習得し始め上級まで進んでいく。このコースには各クラスが終わるごとに、作品を提出すれば、日本で審査を受けることができる。はじめの初級の作品をそろえ、その作品の審査が通れば初級クラスの終了書を受領できる。
毎月コンスタントに持たれる月末の土曜日、日曜日の授業以外、春、秋、日本から見える墨絵の先生によるワークショップもあり、自分のレベルを高めるためにと参加者も多く、高い好評を受講生より受けている。
また、本校の生徒たちは、毎年日本で行われる展示会に参加することが出来る。
ここに、墨絵コースの卒業生である二キーフォロワ・エレーナさんを紹介する。エレーナさんは2012年からロシアと日本で行われる展示会に参加しており、もうすでに日本の審査員から高い評価を受け、数回、いろいろな賞を受賞している。

最近参加した、国画水墨院展に展示されたエレーナさんの作品は「優秀賞」を受賞する。

Q1. いつから、また、どういうきっかけで墨絵を学び始めましたか。

A1. 2010年から学んでいます。その前に中国画をやりましたが、日本画の描き方も学びたいと思っていました。ある日ジャパンハウスの墨絵学校の生徒募集案内を見て、一般のコースを受けようと思いました。ジャパンハウスの墨絵授業を受け始めて、中国画より日本の墨絵の方が、自分は好きなのだと気づきました。今は日本風の墨絵だけを描いています。

Q2. ジャパンハウスの墨絵コースを選んだ理由は?

A2. 学習過程がしっかりしていたからです。授業のテーマは簡単なものから始まり、どんどん難しくなっていきます。それは正しくて面白い学び方です。

そして一般の授業だけじゃなくて、日本人の先生の講習会もあるからです。竹澤先生のおかげで水墨画の基礎知識を深めていますので、大変感謝しています。

ジャパンハウスの授業以外には、フランスの印象派の画家の作品や現代日本画家の作品を見ながら自習しています。そういうふうに絵画についての知識を深めてます。私自身が芸術教育を受けていないのですが、穴埋めとして水彩画の授業も受けています。

Q3. 中国画と日本画はどう違いますか。日本の墨絵の魅力はどこにあるのでしょうか。

A3. 私の考えでは中国画は飾りすぎています。現代の日本の墨絵は、現代の中国もそうですが、ヨーロッパの絵画に近いものです。墨のグラデーションを変えながら、墨はそのにじみ、ぼかし具合によって様々な表現が出来ます。そのため墨絵の技術を使って、どのテーマでも作品を描けると思います。それは墨絵の魅力ではないかと思います。白黒の作品が彩画よりもっと面白い表現が出来ると思います。

Q4. 一番面白い(興味のある)画題は何ですか。

A4. 色んな映像、濃淡、太陽の光り、外灯の明かり、自然現象(雨、降雪など)を表現する方法に大変興味があります。

Q5. エレーナさんの好きな画家は誰ですか。

A5. 現代日本画家である山田 大作、川端 豊次  、川添 早苗 、根岸 嘉一郎が好きです。

Q6. 画家にとって高度な技術か独特な表現 - どちらの方が大事でしょうか。

A6. 両方とも大事です。両方とも練習しながら身につけるものです。

Q7. エレ-ナさんは日本で行われる国画水墨院展によく参加されていますが、これからも続けられる予定ですか。また、展示会に参加することで何を得ることができるとお考えですか。

A7. はい、次回も参加したいと思います。日本の展示会に参加することで、自分が描いた作品に対する批判を受け、自身のスキルを向上することが出来ます。

インタビューありがとうございました。